摩尼山 成就院へようこそ

<第28回>平成26年101日

作りたてをいただく

「いちじくのキャラメルがけ」

いちじくのキャラメルがけ②.JPG

今月は、作りたてを味わうデザートを。さとうが色づき始めると、急に茶色くなりますが、泡が細かくなり、香ばしいにおいがするまでしっかり焦がすのがポイント。このままでもおいしいのですが、パンケーキやアイスクリームとの相性もバッチリです。時間がたつと、いちじくから水分が出てくるので、作りたてのほんのり温かい状態でお召し上がり下さい

≪準備≫
いちじく  1パック(5~6個)
キャラメル (さとう 80g  水 大さじ1)
≪準備≫
いちじくを4~6等分に切っておく。
≪作り方≫
① 小さめの鍋(テフロン加工のフライパンが作りやすい)にさとうと水を入れ、中火でさとうを煮溶かす。はしなどで混ぜない。
② キャラメル状に色づいてきたら、いちじくを入れてからめる。

つくれぽ

(住職の味見)祖父がイチジク好きで、年に一度いちじくを食べていました。子供の頃は、ムニュムニュした食感が好きでありませんでしたが、今は濃厚な甘みが味わい深く感じるようになりました。今回のいちじくのキャラメルかけは、あんみつの餡をとろっとかけた風です。黒糖の香りが風味を増しています。いろいろな果物、寒天があっていいかも。
(典座のつぶやき)なんて簡単!と思っていざ作ってみたけれど、カーキィ先生と私のできあがりを見れば一目瞭然。キャラメルソースって本当に難しい。簡単な料理こそ奥が深く感じるのは、ごまかしが効かないからなのか…。ジャム同様、いつ「火を止めるか」でゆるすぎたり、かたすぎたり、毎度この「加減」に悩まされます。上手にキャラメル作れたら、いちじくばかりか、バナナにも?かけたくなるかもしれません。
※典座(てんぞ)とは、修行僧の食事、仏や祖師への供膳を司る僧侶のこと

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<第27回>平成26年91日

手作り「ジンジャーエール」!!

「新生姜シロップ」

しょうが③.JPG

≪材料≫
新生姜 2袋(200g強)
さとう 新生姜の分量と同量
酢 少々
≪準備≫
出来上がったシロップを保存するビンを用意しておきます。

≪作り方≫
① 新生姜をきれいに洗い、皮のまま薄く切ります。
② さとうをまぶして、冷蔵庫でひと晩置きます。
しょうが①.JPG
③ ②を鍋に移し、弱火で30分ほど煮詰めます。
④ 仕上げに、酢を少し加え、味をひきしめます。(レモンやゆず、だいだいなどでも可)
⑤ シロップは、ざるなどでこしながらビンに入れ、冷蔵庫で保存します。

残ったしょうがは、料理に使えます。写真は天日に干しているところ。
しょうが④.JPG
半日干した後、さとうをまぶして、仕上げました。

つくれぽ

(住職の味見)子供の頃、風邪を引くと熱いお湯に生姜をすり入れ、うがいをした記憶があります。喉がひりひりした後すーっとし、いがいがしていた喉が治ったこともありました。刺身のときにすり下ろしたり、魚を煮るときに厚切りにしていれたりと、なじみ深い食材です。今回は、生姜シロップ。初めての味わいでした。ジンジャエールという市販のジュースはよく飲みましたが、自家製ジンジャエールは味が濃厚、生姜の風味が強くででとても美味しくいただきました。ジンジャーハイなんかポカポカとなりそうで、体に良さそうです。でも、飲み過ぎたらやはり問題…。なんでもほどほどにしましょう。
(典座のつぶやき)市販で売られているジンジャーエールよりずっと美味しくてびっくり。カーキィ先生より、シナモン、コリアンダー、オレンジの皮、アニスといったスパイスをほんの少量、煮込んだときに加えてみるとさらに美味しいとアドバイス。また、ふつうの根生姜でも作ることができるそうです。手間いらずで美味しい新生姜シロップ。住職からのグーサイン。いただきました~~m(_ _)m

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<第26回>平成26年81日

葛粉でつくるプリン風デザート

「抹茶くずプリン」

抹茶くずプリン・写真.JPG

≪材料≫
本葛粉   50g
さとう   60g
抹茶    小さじ2
水      300ml
豆乳    200ml
好みの果物(缶詰や季節の果物、
      栗のシロップ漬けなど)


≪くろみつの材料≫
黒砂糖   100g
水     100g
※鍋に黒砂糖と水を入れて、煮溶かす。冷めてから使う。
※煮詰めすぎると苦みが出るので、注意する。くろみつは市販のものでもOK。

≪作り方≫
① ボウルに本葛粉、さとう、抹茶、水、豆乳を入れて、よく混ぜる。
② ざるなどで、①をこしながら、鍋に入れる。
③ 鍋を中火にかけ、木べらで混ぜる。
④ 液体状からクリーム状に固まりかけてきたら、弱火にして、1分混ぜる。
⑤ 用意した器に入れる。あら熱がとれたら、冷蔵庫で冷やす。
⑥ ⑤にくろみつをかけ、好みのフルーツをのせて仕上げる。
※④で混ぜすぎると、プリンが固くなります。

つくれぽ

(住職の味見)「萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花」(『万葉集』・山上憶良)葛の花は秋の七草のうちの一つです。これから紫色で房状の花を咲かせます。昔から親しまれてきた花なのですね。
さて、花より葛粉。抹茶のさわやかな香りと葛粉のしっとりなめらかな食感が合わさり、高級スイーツ「真夏のなめらかプリン」となりました。家にあった黒ずんだバナナやちょっと粉っぽくなったスイカをのせ写真に撮ると、とってもゴ゛ージャスな雰囲気を醸し出していますね。なんでも腐る寸前が一番うまみが凝縮しているといわれます。ということで、ホントにとっても美味しいですよ。
(典座のつぶやき)さわやかな「真夏のなめらかぷりん」の完成です。プリンは「満足感が大事」と思っていただけに、豆乳とくず粉で作るプリンはヘルシーすぎ?と思ってました。果物をたくさんのせて、手作りの黒みつをかけると、お店で買うプリンよりずっと豪華。もしかすると、ふつうのプリンを作るよりずっと簡単(作っみないからわかりませんが)&ヘルシーかも。美味しいですよ!!
※典座(てんぞ)とは、修行僧の食事、仏や祖師への供膳を司る僧侶のこと

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<第25回>平成26年71日

繁忙期でも、ささっと作れる

「落花生のりんかけ」

落花生のりんかけ②.JPG

  • 砂糖が結晶化する特性を生かして、お店で売っているものよりも、おいしいりんかけを作ってみましょう。準備も簡単、5分ほどで作れます。缶などに入れておくと、作り置きができるので、来客の多い時期にぴったりのお菓子です。黒糖味もおいしいのですが、白い砂糖の方が作りやすいです。しょうが汁などを加えて、風味をアレンジすることもできます。

≪材料

  • さとう  50g
  • 水    50ml
  • 落花生  50g
  • *落花生は、塩味のついていないものを。殻と薄皮をとって準備します。

≪あるとよい道具

  • 200℃まで計れる温度計

≪作り方
①鍋に水とさとうを入れ、火にかけます。
②シロップが沸騰し、ねっとりしてきたら、落花生を入れます。火からおろし、木じゃくしで素早くかき混ぜます。
③さとうが結晶化して表面が乾いた状態になったら、できあがり。皿に広げて冷まします。

*シロップの温度が120℃の時に落花生を入れると、カリッとした食感に仕上がります。
結晶化するまでの時間も1分かかりません。シロップの温度が低いと、結晶化するまでに1分半ほどかかり、しっとりした口当たりのものになります。


つくれぽ

(住職の味見)「りんかけ」は種子島の郷土菓子だそうです。語源を調べても不明。菓子の名でもあり、蜜を衣がけすることをいう場合もあるようです。「りん」って種子島では蜜の意味なのでしょうか。「くろりん」もまずくはないものの、「りんかけ」とは似ても似つかぬものに…。色も違えば味も違う。普通の「しろりん」を食べてホットしました。
みなさん、レシピは作る前にきちんと読み返しましょうね。
(典座のつぶやき)レシピを見て、「これは楽勝♪」と思ったのがいけなかった。「火からおろす。」がスコンと抜けて、白く上品に仕上がるはずの「りんかけ」が、黒くベタベタした「くろりんかけ」に…。みなさん十分にお気を付けください。鍋を火からおろさないと、ご覧のような「くろりん」ができあがります。2度目の挑戦で大成功。シロップの温度が120度。ということも大事のように思います。調理用の温度計が大変役立ちました。きめ細かな砂糖の甘みがピーナッツとばっちり合ってます。ちなみに、「くろりん」はかなりビターな雷おこしのお味です。

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「りんかけ」と「くろりん」
同じ材料・分量なのに、こうも違う…!!

<第24回>平成26年61日

はちみつシロップでさっぱりといただく

「梅酒かん」

梅酒かん.JPG

  • ≪道具
  • ・流し缶(11×14センチくらいの大きさ。弁当箱でもよい。)
  • ・ところてんつき(なくても可)
  • ≪材料
  • 粉寒天(粉寒天は、水に戻さなくてもすぐに使えて便利です)4g
  • さとう(先月使ったきび糖やてんさい糖がおすすめ。もちろん、上白糖でも作れます)60g  
  • 梅酒 1/2カップ(100cc)
  • レモン 1個     はちみつ 適量     甘納豆 適量

はちみつシロップの作り方(前日までに準備)

  • ①レモンの皮を黄色い部分だけむきます。次に、白いわたの部分をむき、果肉を輪切りにします(写真①)
  • ②器に果肉を入れ、はちみつを注いで、ひと晩置きます(写真②)。
  • (国産レモンを使う場合は、皮もはちみつに漬けておくと、別の料理やお菓子に使えます。
  • 輸入レモンの皮には、農薬が残っている場合があるので、果肉だけ漬けます。)

≪梅酒かんの作り方

  • ①鍋に水を2カップ(400cc)入れます。粉寒天をふり入れ、混ぜてから火にかけます。
  • ②沸騰したら1~2分混ぜ、その後、さとうを入れて煮溶かします。
  • ③鍋を火から下ろし、梅酒を入れて混ぜます。
  • ④水でぬらした流し缶に、③を注いで固めます。

≪仕上げ

  • ①ところてんつきを使って、梅酒かんをとろこてん状にします。(ところてんつきがない場合は、角型など、好みの大きさに切ります。)
  • ②器に梅酒かん、甘納豆を入れて、はちみつシロップをスプーン1杯ほどかけます。好みでレモンを添えても。

*梅酒かんは、レモンやゆずなどの酸味を加えるとさらにおいしくいただけます。シロップを作るのが手間であれば、梅酒かんを作る時に、レモンやゆずの果汁を加えるとよいでしょう。香りがとばないように、梅酒を入れる時に加えます。梅酒は手作りのものでも、市販のものでもOK。今回は「梅ごこち」というサントリーの商品を使いました。アルコール分が3%なので、昼間のデザートにもいただけます。

梅酒かん①.JPG(写真①)

つくれぽ

(住職の味見)今から460年ほど前、干ばつで人々が困り果てたとき、賀茂神社に詣でた後奈良天皇が梅を奉納したところ、たちまち雷鳴とどろき大雨が降りだしたとか。人々はその天恵の雨を「梅雨」とよんだといいます。これが『御湯殿上の日記』の6月6日の条に掲載されていることから、6月6日は「梅の日」と定められました。成就院の庭の梅の小木もたくさん実を付けています。もう少し黄色く熟したら収穫予定です。お近くの神社にも実を付けた梅の木がありませんか。梅は花だけでなく実も芳醇な香りが致します。じとじとうっとうしいこの季節、涼しげな梅酒かんは体をしゃっきっとさせてくれます。(あ)
(典座のつぶやき)5年前、ノリで作った梅酒。ここでようやく日の目を見ることに。長期熟成された梅酒は彩りも涼しげ。大分県の友人からいただいたカボスを使ってシロップを作り、飾り付けてみました。カーキー先生のようにキレイに皮がむけなかったけど、さわやかな香りは最高です。品のいい甘さと爽やかさで、蒸し暑い季節にもってこいです。

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<第23回>平成26年51日

ひと手間かけて季節を味わう

「びわのシロップ煮」

びわをシロップで煮て、冷ましてからいただきます。びわの種からエキスが抽出され、生のびわとは違った味わいに驚かれることでしょう。原料に近いてんさい糖やきび糖などを使うと、味に深みが増し、シロップもおいしくいただけます。てんさい糖は北海道が産地のさとうだいこんから、きび糖は鹿児島・沖縄が産地のさとうきびから作られます。

びわのシロップ煮②.JPG

  • ≪材料
  • びわ&水(なべの大きさに合わせて、適量)  さとう(水の半量) 
  • ≪準備
  • ①びわの皮をむきます。
  • (ふっくらしている方から手でむくとよいでしょう)
  • ②クッキングペーパーを鍋の大きさに切って、落しぶたを作ります。


≪作り方

  • ① 鍋に、びわ、水、さとうを入れ、やさしくひとまぜします。用意した紙ぶたをびわにのせ、鍋のふたをして15分煮ます。
  • びわのシロップ煮①.JPG写真①水は、びわが浸かるくらいの量で、写真では、水200CC、さとう100gで煮ています。(写真①)
  • ② 火を止めて、自然に冷まします。
  • ☆びわをシロップごと容器に移し替え、冷蔵庫で冷やしてからいただきます。

つくれぽ

(住職の味見)びわは、『涅槃経』にも、生きとし生けるものの万病を治す「大薬王樹」として登場します。また、びわの葉は全ての憂いを取り除く「無優扇」と名付けられていました。今でも町には「ビワ灸」の看板を時折目にします。お寺にもなじみ深い木なのです。さてさて、今回の「びわのシロップ煮」、杏仁豆腐の香りが…。杏の種とびわの種は親類関係なのでしょうか。やさしい甘さとさわやかな香りで憂いが除かれるような気がしました。みなさんも、ぜひ作って食べるにゃー。おっと、あまりの馬(うま)さにじけいにゃんがのり移ってしまいました。(あ)
(典座のつぶやき)そのままでも、美味しい「びわ」。煮てしまうなんて「もったいない。」って思ったそこのアナタ!ダマされたと思って、まずはチャレンジ!!びっくりするほど美味。おすすめの「てんさい糖」を、利き酒ならぬ「利き砂糖」したところ、上白糖より、優しいお味。種のエキスからでる風味とてんさい糖のやわらかさが、ホッとした気持ちにさせてくれる一品。材料も少なく、調理法も超簡単!なのに、失敗無しでできちゃうすごいレシピ。

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<第22回>平成26年41日

過ぎゆく季節の名残とともに、春を味わう

「水ようかん」

水ようかん3.JPG

  • (22㎝×13㎝の流し箱に冷やし固めて12個分)

Ⅰ)きんかんの甘煮をつくる

  • ≪材料
  • きんかん 適量     
  • 砂糖 きんかんの重量の1/2
  • 水 適量
  • ≪作り方
  • ① つまようじを使って、きんかんのへたを取り、数カ所穴を開ける。
  • ② きんかんをなべに入れ、きんかんがかぶるくらいの水と砂糖を加え、火にかける。
  • ③ 沸騰したら弱火にし、10分煮る。冷ましながら、甘みを煮含める。

Ⅱ)型を準備する

  • 流し箱に仕切りを入れる。なければ、ココット型のような小さな器に入れてつくってもよい。
  • 固まった後、水ようかんを型から抜き出す時には、流し箱や器を水でぬらしておく。

Ⅲ)水ようかんをつくる

  • ≪材料
  • きんかんの甘煮(縦半分に切っておく)
  • うぐいす豆     
  • 桜の花の塩漬け(水につけて、塩を抜いておく)
  • 水 2カップ(400cc)    粉寒天 2g
  • さとう 50g    白あん 300g
  • ≪作り方
  • ① 用意した型に、きんかんの甘煮、うぐいす豆、桜の花の塩漬けを入れる。(写真①)水ようかん1.JPG写真①
  • ② なべに水を入れて、粉寒天をふり入れる。火にかけて、まぜながら1分間煮立てる。
  • ③ 砂糖と白あんを加え、煮溶かす。
  • ④ 鍋ごと冷水につけ、なめらかに混ぜながら、スプーンを使って型に少しずつ流していく。
  • ⑤冷やし固める。
  • ※あっさりした白あんは、きんかん、うぐいす豆、桜の花の塩漬けがそれぞれよく合います。食べた時に味が混ざらないように、水ようかんの生地を流して、固めます。

つくれぽ

(住職の味見)味見中。(あ)
(典座のつぶやき)つやつやだけど真っ黒な、そんな「ようかん」のイメージが一変。なんて春らしい色合い!!桜の塩漬けが手に入らなかったのがとても残念。少し塩味が入ると、甘みもうま味もぐっと際立ったのだと思います。「きんかんの甘煮」まで作れるようになったのがとってもうれしかったです。「水ようかん」も「甘煮」も思っていたより短時間でできました。簡単なのに上品なお菓子です。

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<第21回>平成26年31日

春色ふんわり

「かるかん」

かるかん②.JPG

  • ≪材料(ココット型 4個分)
  • 大和芋(すりおろして) 40g   さとう 80g     水 60㏄     上新粉 50g        好きな色のジャムや抹茶 適量
  • ≪準備
  • 蒸し器を用意する。蒸し器のふたは、ふきんで包んでおく。
  • 蒸し器に水を入れて、沸かしておく。
  • ≪作り方
  • ① 大和芋の皮をむき、おろし金でなめらかにすりおろす。ボウル入れ、木べらで混ぜる。
  • ② さとうを加え、混ぜ合わせる。
  • ③ 水を2~3回に分けて加え、空気を含ませるようによく混ぜる。
  • ④ 上新粉を加え、さらになめらかに混ぜ合わせる。(写真①)
  • ⑤ ④を取り分けて(小さじ1~2杯くらい)、好きな色のジャムや抹茶を加え、生地に色をつける。
  • ⑥ 型に④を入れ、色のついた生地をのせて模様をつける。
  • ⑦ 蒸し器に入れ、ふたをして強火で12分蒸す。
  • *ココット型がなければ、茶碗蒸し用の器やカップケーキを作る紙の型を使ってもよい。
  • *中にあんこを入れてもおいしい。その場合は、さとうを70gにする。

写真かるかん①.JPG写真①

つくれぽ

(住職の味見)かるかんといえば、九州のおみやげとして頂いて食べた記憶があります。かるかんの「かん」は、羊羹の「羹」と同じで、もともとは長方体のものであるそうです。いま私たちがおみやげで頂くのは、かるかんまんじゅう。後世の発明です。ともかくにも、山芋のコクとふんわりただよう香りがとても印象的。今回は、器に入れて蒸し上げた「かるかん」。ちょっともっちりしすぎでしたが、味わいはgood。白地に点じられたジャムの彩りがキレイですね。(あ)
(典座のつぶやき)おひなさまにぴったりなかわいいお菓子。カーキィ先生から30分もあれば、簡単に作れるお菓子と聞いてはりきりました。材料も手間もなく、あっという間にしあがりました。ふんわり仕上がるためには「空気を含ませるようによくまぜる」がコツだそうです。みなさんも空気と一緒に愛情もいっぱい含ませて!

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<第20回>平成26年21日

身体を冷やさない、自然の甘味を生かしてつくる

「れんこんもち」

れんこんもち③.JPG

1)黒みつをつくる

  • ≪材料
  • 黒糖 50g   水 80ml
  • ≪作り方
  • 鍋に黒糖と水を入れ、煮溶かす。

2)型を準備する

  • 流し缶(11×14センチくらいの大きさ。弁当箱でもよい。)のサイズに合わせて、クッキングシートを十文字に敷く。茶こしを使って、きなこをふっておく。

れんこんもち①.JPG写真①れんこんもち②.JPG写真②

3)生地をつくる

  • ≪準備
  • 鍋を2つ用意する。そのうち1つは、テフロン加工の小さめのフライパンでもよい。
  • ゴムべら、木じゃくしを用意する。
  • ≪材料
  • れんこん (皮をむいて)100g   水 50ml     さとう 大さじ1    わらびもち粉 30g    水 70ml    きなこ 適量
  • ≪作り方
  • ① おろし金でれんこんをすりおろし、鍋に入れる。水50mlとさとうを加え、混ぜておく。
  • ② 弱火で加熱しながら、ゴムべら(木じゃくしでもよい)で混ぜる。火を通しているうちに粘り気が出てきて、なめらかになる。ここでれんこんにしっかり火を通しておく。
  • ③ 別の鍋(またはテフロン加工の小さめのフライパン)にわらびもち粉を入れ、水70mlを加えて溶き混ぜる。作っておいた黒みつも加え、よく混ぜる。
  • ④ 弱火で加熱しながら、木じゃくしで混ぜる。液体がかたまってきたら、②のれんこんを加えて混ぜる。(ダマにならないので、心配いらない)
  • ⑤ 中火にし、木じゃくしで手早く混ぜる。生地が持ち上がってくるぐらいの粘りが出るまで練る。
  • ⑥ 練り上がった生地を準備しておいた型に入れ、茶こしを使ってきな粉をふりかける。
  • ⑦ クッキングシートを折りたたみ、生地がすみまで行くように、手で押してならす。(左の写真①、②)
  • ⑧ 自然に冷ます。適当な大きさに切り分け、きなこをふって仕上げる。
  • *甘みが足りない人には、仕上げのきなこに砂糖を加えるとよい。または、黒みつを多めに作って、かけてもよい。

つくれぽ

(住職の味見)初めて和久傳の「西湖」を食べたとき、黒糖の上品な甘みとともにチュルルンという食感が衝撃的でした。後にそれが「れんこんもち」というものであると知ります。今回作った「れんこんもち」は、れんこんの繊維がざらっとしてました。それも素朴なあじわい、きなこの風味が加わって、深いコクが出てました。大成功‼‼寅さんは「どぶに落ちても根のあるやつは、いつか蓮の花と咲く」と歌います。泥の中に生きながらそれに汚されず美しく咲く蓮の花は、仏性の比喩として経の中に登場します。お寺にぴったりのお菓子ですね。(あ)
(典座のつぶやき)黒糖のコクのある甘みと、しゃくしゃくもっちりとした食感がたまりません。おろし金でなく、フードプロセッサーを使うともちもちの食感がより楽しめるとカーキィ先生から教わりました。流し型が大きすぎたため、できあがりは、うすく平べったくなりました。しかし、2段に重ねて、きなこをふると、きなこがお化粧代わりをしてくれました。レンコンの旬は秋から冬。秋口のレンコンはあっさりして柔らかですが、冬のレンコンは粘りが増して甘みがでるとのこと。今の季節にぴったりなお菓子。みなさんもぜひ挑戦してください。(よ)

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<第19回>平成26年11日

いちごジャムでほんのり桃色

「花びら餅」

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1)ごぼうを甘く煮る

  • ≪材料
  • ごぼう 適量    水 100㏄    砂糖 50g
  • ※水と砂糖が2:1となるようにする。上記の分量より、多くても少なくてもよい。
  • ≪作り方
  • ① ごぼうは、長さ10~12センチの細切りにする。
  • ② 切ったら、水(分量外)にさらしてあくを抜く。
  • ③ 鍋に水(分量外)とごぼうを入れて、沸騰したら10分煮る。
  • ④ ゆで汁を捨て、水と砂糖とごぼうを入れ、15分くらい煮る。ごぼうがやわらかくなったらよい。

2)みそあんを作る

  • ≪材料
  • 白あん(市販品) 120g    白みそ 20g(好みで減らしてもよい。)
  • ≪作り方
  • ① 白あんと白みそを鍋に入れ、弱火でなめらかになるまで混ぜる。ゴムべらや木べらを使うと混ぜやすい。鍋は、テフロン加工のフライパンでもよい。
  • ② 8等分にまるめ、ラップをかけておく。

3)ぎゅうひを作る

  • ≪準備
  • ① バットか大きめのお皿に、片栗粉をふりかけておく。
  • ② こし器かざるを用意する。
  • ≪材料
  • 白玉粉 100g    水 180㏄    砂糖 180g     いちごジャム 40g     水あめ 20g
  • ≪作り方
  • ① ボウルに白玉粉を入れ、水を何回かに分けて入れながら、ゴムべらでなめらかに混ぜる
  • ② 砂糖を入れて、混ぜる。
  • ③ いちごジャムを入れて、混ぜる。
  • ④ こし器かざるを使って、鍋に③をこしながら入れる。
  • ⑤ 鍋を中火にかけ、木べらを使って混ぜる。どろりとしてきたら、焦げないように気をつけながら手早く混ぜ続ける。
  • ⑥ 生地につやが出て、鍋底から離れるようになったら、火をとめる。
  • ⑦ 水あめを入れて、よく混ぜる。
  • ⑧ 片栗粉をふりかけておいたバット(または、お皿)にあけて広げる。上から片栗粉をふりかける。
  • ⑨ あら熱がとれたら、カードや大きめのスプーンを使って、8等分に切り分ける。
  • ⑩ 手に片栗粉をまぶし、ぎゅうひを手でまるく広げる。(かるくまるめた後、平たくするとよい)
  • ⑪ 準備しておいたごぼうとみそあんをのせ、⑩の生地を半月に折りたたむ。

※生地に火が通り始めると、分離したようになりますが、混ぜ続けるとすぐにきれいにまとまります。鍋底から離れ、鍋底にうっすらと膜のようなものができたら、生地全体に熱が通っています。生地につやがあることも、出来上がりを見極めるポイントになります。

つくれぽ

(住職の味見)花びら餅は、平安時代の新年行事「歯固めの儀式」に由来するそうです。歯固めは堅い物を食べ、長寿を願う意が込められていたようで、ごぼうは押鮎の、求肥はお雑煮の見立てであるとか。私は、ごぼうは木の枝、求肥に味噌餡は雪中の梅花かの見立てかと思ってました。
 最初は白あんが近くで売っていないのでこしあんで作ろうということに。それだと花びら餅ならぬ「腹黒餅」になるというので却下。白あんで作り出すと、「口びる餅」に。いろいろ試行錯誤し写真のようになりました。味はとっても濃厚でうまいっ。(あ)
(典座のつぶやき)ぎゅうひの生地に手こずりました。ダマになるのが怖くって、火からすぐに離したせいか柔らかくなりすぎ??でも、翌日少し固まって美味しくなりました。お茶席でいただく高価な和菓子と思っていたので、自分でつくれるなんて驚きです。ぎゅうひ生地は「慌てて作らず、冷めてから形を整えて大丈夫」と、カーキィ先生よりコメントいただきました。思ったよりも簡単なので、お正月お客様にお出ししたら、驚かれますよ。よ)

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