<第28回>平成26年10月1日
今月は、作りたてを味わうデザートを。さとうが色づき始めると、急に茶色くなりますが、泡が細かくなり、香ばしいにおいがするまでしっかり焦がすのがポイント。このままでもおいしいのですが、パンケーキやアイスクリームとの相性もバッチリです。時間がたつと、いちじくから水分が出てくるので、作りたてのほんのり温かい状態でお召し上がり下さい。
≪準備≫
いちじく 1パック(5~6個)
キャラメル (さとう 80g 水 大さじ1)
≪準備≫
いちじくを4~6等分に切っておく。
≪作り方≫
① 小さめの鍋(テフロン加工のフライパンが作りやすい)にさとうと水を入れ、中火でさとうを煮溶かす。はしなどで混ぜない。
② キャラメル状に色づいてきたら、いちじくを入れてからめる。
つくれぽ
(住職の味見)祖父がイチジク好きで、年に一度いちじくを食べていました。子供の頃は、ムニュムニュした食感が好きでありませんでしたが、今は濃厚な甘みが味わい深く感じるようになりました。今回のいちじくのキャラメルかけは、あんみつの餡をとろっとかけた風です。黒糖の香りが風味を増しています。いろいろな果物、寒天があっていいかも。
(典座のつぶやき)なんて簡単!と思っていざ作ってみたけれど、カーキィ先生と私のできあがりを見れば一目瞭然。キャラメルソースって本当に難しい。簡単な料理こそ奥が深く感じるのは、ごまかしが効かないからなのか…。ジャム同様、いつ「火を止めるか」でゆるすぎたり、かたすぎたり、毎度この「加減」に悩まされます。上手にキャラメル作れたら、いちじくばかりか、バナナにも?かけたくなるかもしれません。
※典座(てんぞ)とは、修行僧の食事、仏や祖師への供膳を司る僧侶のこと
ああ
<第27回>平成26年9月1日
つくれぽ
(住職の味見)子供の頃、風邪を引くと熱いお湯に生姜をすり入れ、うがいをした記憶があります。喉がひりひりした後すーっとし、いがいがしていた喉が治ったこともありました。刺身のときにすり下ろしたり、魚を煮るときに厚切りにしていれたりと、なじみ深い食材です。今回は、生姜シロップ。初めての味わいでした。ジンジャエールという市販のジュースはよく飲みましたが、自家製ジンジャエールは味が濃厚、生姜の風味が強くででとても美味しくいただきました。ジンジャーハイなんかポカポカとなりそうで、体に良さそうです。でも、飲み過ぎたらやはり問題…。なんでもほどほどにしましょう。
(典座のつぶやき)市販で売られているジンジャーエールよりずっと美味しくてびっくり。カーキィ先生より、シナモン、コリアンダー、オレンジの皮、アニスといったスパイスをほんの少量、煮込んだときに加えてみるとさらに美味しいとアドバイス。また、ふつうの根生姜でも作ることができるそうです。手間いらずで美味しい新生姜シロップ。住職からのグーサイン。いただきました~~m(_ _)m
ああ
<第26回>平成26年8月1日
≪くろみつの材料≫
黒砂糖 100g
水 100g
※鍋に黒砂糖と水を入れて、煮溶かす。冷めてから使う。
※煮詰めすぎると苦みが出るので、注意する。くろみつは市販のものでもOK。
≪作り方≫
① ボウルに本葛粉、さとう、抹茶、水、豆乳を入れて、よく混ぜる。
② ざるなどで、①をこしながら、鍋に入れる。
③ 鍋を中火にかけ、木べらで混ぜる。
④ 液体状からクリーム状に固まりかけてきたら、弱火にして、1分混ぜる。
⑤ 用意した器に入れる。あら熱がとれたら、冷蔵庫で冷やす。
⑥ ⑤にくろみつをかけ、好みのフルーツをのせて仕上げる。
※④で混ぜすぎると、プリンが固くなります。
つくれぽ
(住職の味見)「萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花」(『万葉集』・山上憶良)葛の花は秋の七草のうちの一つです。これから紫色で房状の花を咲かせます。昔から親しまれてきた花なのですね。
さて、花より葛粉。抹茶のさわやかな香りと葛粉のしっとりなめらかな食感が合わさり、高級スイーツ「真夏のなめらかプリン」となりました。家にあった黒ずんだバナナやちょっと粉っぽくなったスイカをのせ写真に撮ると、とってもゴ゛ージャスな雰囲気を醸し出していますね。なんでも腐る寸前が一番うまみが凝縮しているといわれます。ということで、ホントにとっても美味しいですよ。
(典座のつぶやき)さわやかな「真夏のなめらかぷりん」の完成です。プリンは「満足感が大事」と思っていただけに、豆乳とくず粉で作るプリンはヘルシーすぎ?と思ってました。果物をたくさんのせて、手作りの黒みつをかけると、お店で買うプリンよりずっと豪華。もしかすると、ふつうのプリンを作るよりずっと簡単(作っみないからわかりませんが)&ヘルシーかも。美味しいですよ!!
※典座(てんぞ)とは、修行僧の食事、仏や祖師への供膳を司る僧侶のこと
ああ
<第25回>平成26年7月1日
≪材料≫
≪あるとよい道具≫
≪作り方≫
①鍋に水とさとうを入れ、火にかけます。
②シロップが沸騰し、ねっとりしてきたら、落花生を入れます。火からおろし、木じゃくしで素早くかき混ぜます。
③さとうが結晶化して表面が乾いた状態になったら、できあがり。皿に広げて冷まします。
*シロップの温度が120℃の時に落花生を入れると、カリッとした食感に仕上がります。
結晶化するまでの時間も1分かかりません。シロップの温度が低いと、結晶化するまでに1分半ほどかかり、しっとりした口当たりのものになります。
つくれぽ
(住職の味見)「りんかけ」は種子島の郷土菓子だそうです。語源を調べても不明。菓子の名でもあり、蜜を衣がけすることをいう場合もあるようです。「りん」って種子島では蜜の意味なのでしょうか。「くろりん」もまずくはないものの、「りんかけ」とは似ても似つかぬものに…。色も違えば味も違う。普通の「しろりん」を食べてホットしました。
みなさん、レシピは作る前にきちんと読み返しましょうね。
(典座のつぶやき)レシピを見て、「これは楽勝♪」と思ったのがいけなかった。「火からおろす。」がスコンと抜けて、白く上品に仕上がるはずの「りんかけ」が、黒くベタベタした「くろりんかけ」に…。みなさん十分にお気を付けください。鍋を火からおろさないと、ご覧のような「くろりん」ができあがります。2度目の挑戦で大成功。シロップの温度が120度。ということも大事のように思います。調理用の温度計が大変役立ちました。きめ細かな砂糖の甘みがピーナッツとばっちり合ってます。ちなみに、「くろりん」はかなりビターな雷おこしのお味です。
ああ
「りんかけ」と「くろりん」
同じ材料・分量なのに、こうも違う…!!
<第24回>平成26年6月1日
≪はちみつシロップの作り方(前日までに準備)≫
≪梅酒かんの作り方≫
≪仕上げ≫
*梅酒かんは、レモンやゆずなどの酸味を加えるとさらにおいしくいただけます。シロップを作るのが手間であれば、梅酒かんを作る時に、レモンやゆずの果汁を加えるとよいでしょう。香りがとばないように、梅酒を入れる時に加えます。梅酒は手作りのものでも、市販のものでもOK。今回は「梅ごこち」というサントリーの商品を使いました。アルコール分が3%なので、昼間のデザートにもいただけます。
(写真①)
つくれぽ
(住職の味見)今から460年ほど前、干ばつで人々が困り果てたとき、賀茂神社に詣でた後奈良天皇が梅を奉納したところ、たちまち雷鳴とどろき大雨が降りだしたとか。人々はその天恵の雨を「梅雨」とよんだといいます。これが『御湯殿上の日記』の6月6日の条に掲載されていることから、6月6日は「梅の日」と定められました。成就院の庭の梅の小木もたくさん実を付けています。もう少し黄色く熟したら収穫予定です。お近くの神社にも実を付けた梅の木がありませんか。梅は花だけでなく実も芳醇な香りが致します。じとじとうっとうしいこの季節、涼しげな梅酒かんは体をしゃっきっとさせてくれます。(あ)
(典座のつぶやき)5年前、ノリで作った梅酒。ここでようやく日の目を見ることに。長期熟成された梅酒は彩りも涼しげ。大分県の友人からいただいたカボスを使ってシロップを作り、飾り付けてみました。カーキー先生のようにキレイに皮がむけなかったけど、さわやかな香りは最高です。品のいい甘さと爽やかさで、蒸し暑い季節にもってこいです。
<第23回>平成26年5月1日
びわをシロップで煮て、冷ましてからいただきます。びわの種からエキスが抽出され、生のびわとは違った味わいに驚かれることでしょう。原料に近いてんさい糖やきび糖などを使うと、味に深みが増し、シロップもおいしくいただけます。てんさい糖は北海道が産地のさとうだいこんから、きび糖は鹿児島・沖縄が産地のさとうきびから作られます。
≪作り方≫
つくれぽ
(住職の味見)びわは、『涅槃経』にも、生きとし生けるものの万病を治す「大薬王樹」として登場します。また、びわの葉は全ての憂いを取り除く「無優扇」と名付けられていました。今でも町には「ビワ灸」の看板を時折目にします。お寺にもなじみ深い木なのです。さてさて、今回の「びわのシロップ煮」、杏仁豆腐の香りが…。杏の種とびわの種は親類関係なのでしょうか。やさしい甘さとさわやかな香りで憂いが除かれるような気がしました。みなさんも、ぜひ作って食べるにゃー。おっと、あまりの馬(うま)さにじけいにゃんがのり移ってしまいました。(あ)
(典座のつぶやき)そのままでも、美味しい「びわ」。煮てしまうなんて「もったいない。」って思ったそこのアナタ!ダマされたと思って、まずはチャレンジ!!びっくりするほど美味。おすすめの「てんさい糖」を、利き酒ならぬ「利き砂糖」したところ、上白糖より、優しいお味。種のエキスからでる風味とてんさい糖のやわらかさが、ホッとした気持ちにさせてくれる一品。材料も少なく、調理法も超簡単!なのに、失敗無しでできちゃうすごいレシピ。
<第22回>平成26年4月1日
つくれぽ
(住職の味見)味見中。(あ)
(典座のつぶやき)つやつやだけど真っ黒な、そんな「ようかん」のイメージが一変。なんて春らしい色合い!!桜の塩漬けが手に入らなかったのがとても残念。少し塩味が入ると、甘みもうま味もぐっと際立ったのだと思います。「きんかんの甘煮」まで作れるようになったのがとってもうれしかったです。「水ようかん」も「甘煮」も思っていたより短時間でできました。簡単なのに上品なお菓子です。
<第21回>平成26年3月1日
写真①
つくれぽ
(住職の味見)かるかんといえば、九州のおみやげとして頂いて食べた記憶があります。かるかんの「かん」は、羊羹の「羹」と同じで、もともとは長方体のものであるそうです。いま私たちがおみやげで頂くのは、かるかんまんじゅう。後世の発明です。ともかくにも、山芋のコクとふんわりただよう香りがとても印象的。今回は、器に入れて蒸し上げた「かるかん」。ちょっともっちりしすぎでしたが、味わいはgood。白地に点じられたジャムの彩りがキレイですね。(あ)
(典座のつぶやき)おひなさまにぴったりなかわいいお菓子。カーキィ先生から30分もあれば、簡単に作れるお菓子と聞いてはりきりました。材料も手間もなく、あっという間にしあがりました。ふんわり仕上がるためには「空気を含ませるようによくまぜる」がコツだそうです。みなさんも空気と一緒に愛情もいっぱい含ませて!
<第20回>平成26年2月1日
写真①写真②
つくれぽ
(住職の味見)初めて和久傳の「西湖」を食べたとき、黒糖の上品な甘みとともにチュルルンという食感が衝撃的でした。後にそれが「れんこんもち」というものであると知ります。今回作った「れんこんもち」は、れんこんの繊維がざらっとしてました。それも素朴なあじわい、きなこの風味が加わって、深いコクが出てました。大成功‼‼寅さんは「どぶに落ちても根のあるやつは、いつか蓮の花と咲く」と歌います。泥の中に生きながらそれに汚されず美しく咲く蓮の花は、仏性の比喩として経の中に登場します。お寺にぴったりのお菓子ですね。(あ)
(典座のつぶやき)黒糖のコクのある甘みと、しゃくしゃくもっちりとした食感がたまりません。おろし金でなく、フードプロセッサーを使うともちもちの食感がより楽しめるとカーキィ先生から教わりました。流し型が大きすぎたため、できあがりは、うすく平べったくなりました。しかし、2段に重ねて、きなこをふると、きなこがお化粧代わりをしてくれました。レンコンの旬は秋から冬。秋口のレンコンはあっさりして柔らかですが、冬のレンコンは粘りが増して甘みがでるとのこと。今の季節にぴったりなお菓子。みなさんもぜひ挑戦してください。(よ)
<第19回>平成26年1月1日
※生地に火が通り始めると、分離したようになりますが、混ぜ続けるとすぐにきれいにまとまります。鍋底から離れ、鍋底にうっすらと膜のようなものができたら、生地全体に熱が通っています。生地につやがあることも、出来上がりを見極めるポイントになります。
つくれぽ
(住職の味見)花びら餅は、平安時代の新年行事「歯固めの儀式」に由来するそうです。歯固めは堅い物を食べ、長寿を願う意が込められていたようで、ごぼうは押鮎の、求肥はお雑煮の見立てであるとか。私は、ごぼうは木の枝、求肥に味噌餡は雪中の梅花かの見立てかと思ってました。
最初は白あんが近くで売っていないのでこしあんで作ろうということに。それだと花びら餅ならぬ「腹黒餅」になるというので却下。白あんで作り出すと、「口びる餅」に。いろいろ試行錯誤し写真のようになりました。味はとっても濃厚でうまいっ。(あ)
(典座のつぶやき)ぎゅうひの生地に手こずりました。ダマになるのが怖くって、火からすぐに離したせいか柔らかくなりすぎ??でも、翌日少し固まって美味しくなりました。お茶席でいただく高価な和菓子と思っていたので、自分でつくれるなんて驚きです。ぎゅうひ生地は「慌てて作らず、冷めてから形を整えて大丈夫」と、カーキィ先生よりコメントいただきました。思ったよりも簡単なので、お正月お客様にお出ししたら、驚かれますよ。(よ)